« 偶像崇拝 | トップページ | 梅雨明ける »

2007年7月23日 (月)

みじめな勇気

20070723074247  『先生とわたし』、読んじゃいましたよ。気が付くと0時。おもしろかったよ。何だか知らねえけど、偶然、毎日新聞の書評にも紹介されてたよ。教える、ってどういうことか、ってね。昔、大岡昇平の『少年』を読んだ時の緊張感を思い出してしまいました。ちょっと質が違うけどね。左の画像のように、猫じゃらしが琴線に触れたかのような(笑)。

 とどのつまりは、著者と由良君美との和解話だが、この評伝には重要な論点がある。一つは、由良君美という師を、本の裏表紙によくある略歴に窺われるような存在として素描することを峻拒していることである。由良を、確固とした信念と方法論の持ち主として、さらに、生育過程を必然性をもったものとして客観的に検証している。それが筆者のどのような方法論に拠るものかは、一ディレッタントとしてのおやじには詳らかではない。もう一つは、師弟関係を再考していることである。多分、これがこの本の白眉であろう。著者は由良をヨブに例えているが、これはちょっと勇み足か。著者は、由良を「脆さ」あるいは「人間的な弱さ」を持つものとして描写することに成功している。そしてそのことで、由良の復権と師弟関係のあるべき姿を逆説的に表現した。肝要なことが「最もみじめな勇気を必要とする時代」(つかこうへい)になっていることを、改めて自覚した。

|

« 偶像崇拝 | トップページ | 梅雨明ける »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: みじめな勇気:

« 偶像崇拝 | トップページ | 梅雨明ける »